フードスタディーズ・ガイドブック

編著『フードスタディーズ・ガイドブック』を刊行しました。

人文学・社会科学の分野における食研究を知るための、初の総合的ブックガイドです。食について考えるうえで欠かせない49冊を徹底紹介しています! 

 
>教員・研究者のみなさま
不十分な点もあると思いますが、もし有用なように思えましたら、ご担当の講義・演習などで教科書・参考書としてご指定いただけませんでしょうか。食に関する授業や各種活動のために編んだものですので、使っていただけましたらこれ以上の幸いはございません。よろしければどうぞご検討をお願いいたします。
 
フードスタディーズ・ガイドブック

フードスタディーズ・ガイドブック

 

 

『フードスタディーズ・ガイドブック』目次

はじめに フードスタディーズの世界へようこそ

第1章 食と社会・文化

クロード・レヴィ=ストロース神話論理Ⅰ――生のものと火を通したもの』

クロード・レヴィ=ストロース神話論理Ⅲ――食卓作法の起源』

メアリ・ダグラス『汚穢と禁忌』

マーヴィン・ハリス『食と文化の謎』

中田英樹『トウモロコシの先住民とコーヒーの国民――人類学が書きえなかった「未開」社会』

ピエール・ブルデューディスタンクシオン――社会的判断力批判

池上甲一・岩崎正弥・原山浩介・藤原辰史『食の共同体――動員から連帯へ』

辺見庸『もの食う人びと』

上原善広『被差別の食卓』

上原善広『被差別のグルメ』

山尾美香『きょうも料理――お料理番組と主婦葛藤の歴史』

表真美『食卓と家族――家族団らんの歴史的変遷』

松島悦子『子育て期女性の「共食」と友人関係』

テオドル・ベスター『築地』

宮崎清『藁』

 

第2章 食の歴史

シドニー・ミンツ『甘さと権力――砂糖が語る近代史』

佐藤次高『砂糖のイスラーム生活史』

橋本周子『美食家の誕生――グリモと<食>のフランス革命

ティーブン・メネル『食卓の歴史』

南直人『<食>から読み解くドイツ近代史』

藤原辰史『[決定版]ナチスのキッチン――「食べること」の環境史』

ドナ・R・ガバッチア『アメリカ食文化――味覚の境界線を越えて』

横山智『納豆の起源』

江原絢子・東四柳祥子『近代料理書の世界』

江原絢子『家庭料理の近代』

宮本常一『食生活雑考』

中村羊一郎『番茶と庶民喫茶史』

伊地知紀子『消されたマッコリ。』

ジョージ・ソルト『ラーメンの語られざる歴史』

西村大志『夜食の文化誌』

 

第3章 食の思想

ルードヴィヒ・フォイエルバッハ『供犠の秘密あるいは人間とは(自らが)食べるところのものである』

ノルベルト・エリアス『文明化の過程』

ミハイール・バフチン『フランソワ・ラブレーの作品と中世ルネッサンスの民衆文化』

ピーター・シンガー『動物の解放』

廣瀬純『美味しい料理の哲学』

マイケル・ポーラン『雑食動物のジレンマ――ある4つの食事の自然史』

Paul B. Thompson ”From Field to Fork: Food Ethics for Everyone”

磯野真穂『なぜふつうに食べられないのか――拒食と過食の文化人類学

Beth Conklin “Consuming grief: Compassionate cannibalism in an Amazonian society”

レイ・オルデンバーグ『サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」』

マイク・モラスキー『日本の居酒屋文化――赤提灯の魅力を探る』

大衆食の会+遠藤哲夫『大衆食堂の研究――東京ジャンクライフ

 

第4章 食をめぐる危機

ラジ・パテル『肥満と飢餓――世界フード・ビジネスと不幸のシステム』

ポール・ロバーツ『食の終焉──グローバル経済がもたらしたもうひとつの危機』

マイケル・モス『フードトラップ――食品に仕掛けられた至福の罠』

Tim LANG, David BARLING, Martin CARAHER, “Food Policy: Integrating Health, Environment and Society”

山下範久『ワインで考えるグローバリゼーション』

ジェームズ・ワトソン編『マクドナルドはグローバルか――東アジアのファーストフード』

カルロ・ペトリーニ『スローフードの奇跡――おいしい、きれい、ただしい』 

あとがき

人名索引

事項索引

●執筆者一覧

上田遥(京都大学、農業経済学)
太田和彦総合地球環境学研究所環境倫理
大淵裕美(奈良学園大学社会学
河上睦子(相模女子大学、哲学)
近藤宏立命館大学文化人類学
櫻井悟史(立命館大学、犯罪社会学
澤野美智子(立命館大学文化人類学
瀬戸徐映里奈(東京福祉大学、移民・難民研究)
巽美奈子(立命館大学、社会史)
田中壮泰(立命館大学ユダヤポーランド文学)
張瑋琦(台湾國立清華大学、人間・地球環境学
都留俊太郎(京都大学、台湾現代史)
中村麻里(名古屋文理大学社会学
野間万里子(日本学術振興会、農業史)
朴沙羅(神戸大学社会学
番匠健一(関西大学、歴史社会学
平賀緑(京都大学、農業国際政治経済学)
廣部綾乃(龍谷大学民俗学
藤原辰史(京都大学、農業史)
御手洗悠紀(京都大学、農業史)
持木良太(大阪府立大学
湯澤規子(筑波大学、歴史地理学)
李杏里(国際基督教大学歴史学

 

家族はなぜ介護してしまうのか

 

sekaishisosha.jp

家族はなぜ介護してしまうのか―認知症の社会学

家族はなぜ介護してしまうのか―認知症の社会学

 

 

大学院同級生の著者、木下衆さんよりいただきました。出版おめでとうございます。

社会学の専門書ですが、(必ずしも全面的に関わらなくてもいいようになっているにもかかわらず)いろいろな要因で家族がしなければならなくなっている現代日本の「介護」について、いままさに困っている人にも有益な知見がたくさんあるものです。広く届く価値のあるものかと思います。

サイレント・マジョリティとは誰か

こちらもナカニシヤ出版さんからいただきました。タイムリーなタイトルで、いわゆる「地域社会学」という言葉でとらえられてきた枠組みより広く考え直すという趣旨で書かれたテキストです。ありがとうございます。勉強させていただきます。

 

www.nakanishiya.co.jp

現地を歩き、人びとと出会い、話を聞き、人びとの現実へと一歩踏み込む

地域に生きる人びとの「つながり」や多様性を捉え直すために。
すでに知っていると思い込んでいる個人と社会の関係性を改めて学び直すために。
そして、「地域社会」という言葉が覆い隠してしまう私たちの想像力を再び活性化するために。


本書で用いる「サイレント・マジョリティ」という概念も、いわゆるポピュリスト政治などを代弁することによって表象される多数派の人びとという捉え方とは異なる意味で用いられている。むしろ、「サイレント・マジョリティ」という概念に節合される人びとの声の多様性に耳を傾け、この概念の政治性や均質性を解きほぐしていくために括弧つきで用いている。……本書に記述された人びとの日常的実践は、私たちの日常に溢れている地域社会という言葉やイメージには包摂されないものである。ゆえに、地域社会という言葉を鍛え直し、より多様な意味を引き出してくれるに違いない。そのために私たちは、地域社会という概念ゆえに沈黙せざるをえない存在として認識されてしまう人びとの声に耳を傾け、地域社会を語ってもらう必要があるのだ。

 

サイレント・マジョリティとは誰か―フィールドから学ぶ地域社会学

サイレント・マジョリティとは誰か―フィールドから学ぶ地域社会学

 

 

日本語技法・日本語表現・日本語問題集

カニシヤ出版に行ったときに、編集の米谷龍幸さんにいただきました。ワークブックとして使えるものばかりです。文献講読やレポート作成の前段階として、文章を書く練習をする必要のある学生が多いので、そういう授業に使うのにちょうどいいです。こういった種類のテキストもいろいろあるんですね。ラインナップが広いことに感心しました。

 

www.nakanishiya.co.jp

www.nakanishiya.co.jp

www.nakanishiya.co.jp

大学1年生のための日本語技法

大学1年生のための日本語技法

 
実践 日本語表現: 短大生・大学1年生のためのハンドブック

実践 日本語表現: 短大生・大学1年生のためのハンドブック

 
大学生のための日本語問題集

大学生のための日本語問題集

 

 

給食の歴史

 

www.iwanami.co.jp

給食の歴史 (岩波新書)

給食の歴史 (岩波新書)

 

著書の藤原辰史先生にご恵投いただきました。昨年の『トラクターの世界史』(中公新書)、『戦争と農業』(インターナショナル新書)に続いての出版、おめでとうございます。共食は意義ある分野であるものの、対象やデータをどうするのかという方法の点でいろいろ難しいところがありまして、そこで給食というのはいい観点だと蒙を開かれました。藤原先生の目の付けどころはいつも本当に天才的だと思います。あと書く時間があって大変羨ましい。。。

岐路に立つ自営業

www.keisoshobo.co.jp

 

岐路に立つ自営業: 専門職の拡大と行方

岐路に立つ自営業: 専門職の拡大と行方

 

 

著者の仲修平さんよりお送りいただきました。仲さんとは、関西計量社会学研究会やSSM研究会でご一緒させていただいておりました。現在の労働や職業の社会学では珍しいテーマである自営業研究を一貫して続けておられる貴重な方です。本書では、計量社会学の立場から「誰が自営業になるのか/やめるのか」「自営業の職業構成はどのように変容してきたのか」「自営業はどのくらいお金を稼いでいるのか」という問いが究明されています。「自営専門職」への着目がオリジナルなところです。

もうけっこう前のことなので自分自身は忘れてましたが、学振のことなど、覚えていてくださっており律儀さに頭が下がります。どうもありがとうございました。