古義人の夢

夜の路地には不思議な親近感がある。つ

ここ数晩、亡くなった人の夢をよく見る。

先日は祖父が出てきて

「調子はどうだ?」
「ぼちぼちです。そちらの様子はいかがでしょうか?」
「悪くはない。死ぬときはあの世がどんなところか知りたくてたまらなかったが、来てしまえばどうということもない。不思議なものだ。ある人は「死後の世界は誰にも分からないから人は恐れるのだ」といっていたそうだが、一度来てしまえば恐れることはないな。地獄も天国もない。ただあっけらかんとしている。そっちと大して変わらん。牧師の奴は魂の平安が得られるといっていたが平穏ではあるがと平安というほどでもない」
「そのようなものでしょうか?」
「来れば分かる。どうだ、ちょっと遊びに来ないか?」
「いやあ、遠慮しときます。いずれそちらにお伺いするときの楽しみに取っておきます」
「そうか」

といったやり取りがあった。



そういえば世間はお盆じゃないか。