おまじない

暑さのため板床が、解凍が瞬時にできてしまうくらい温まってしまい、良くないので縁側の窓を開け放しにして出かけているのだが、それでは不用心だという者がいるので、入り口に呪<しゅ>をかけておいてもらった。以前サドルを持ち去る悪戯が流行っていた頃、災難除けをしてやろうということで、そいつには自転車にも呪<しゅ>をかけてもらっていたのだが、確かにそれから今まで悪戯されたことも盗まれることも全くなかった。

「これにて安心」とおもっていたもののそのうち札だけでは心もとない気がしてきたので、「この扉をくぐるもの、すべての希望を捨つるべし」と大書して横に張っておいた。

これでもまだ侵入してくる奴がいたとしても、それはそれでけっこうなやつだ。もしもいるなら顔が見てみたい。