愁冷
心身ともに衰弱。やる気がおきない。秋の長雨は憂鬱だ。身体が冷えると心も冷える。
総体的に見れば平穏無事とでもいうような、これといったことがない日々が最近続いているが、ミクロに見ればいまいちなことが多く、仕事も私生活も万事切れがない。嫌いな人などいないとシレッと言う他人が胡散臭く思えてしまうのと同様、自分自身に対してもいやなことが全然ないということはそれほど面白いものではない。ということが現在判明しつつある。俺、自分では気づいていなかったけど意外と逆境に燃えるタイプだったのかしらん。しかし、いざ、何かことが起きたとき以前の何もなかったときがかけがえのないものとして思い出されるであろうというのも確かなことだ。まったくもって、わが心中の涅槃に及び至ること能わず。
「戦場にあって平和を望み、平和にあって戦場を望む」ということについて。
懲りない人というのはよくいるが、ひょっとして種としての人間自体が懲りない性質を有しているのではなかろうか?
などと不穏なことに思い耽っていると鬼が来る。
小鬼が来る。
人の心を喰らう鬼がやって来る。
どこからともなくこっそり忍び込みじわじわじわじわ染み入ってくる。
ご用心ご用心。