噴飯ものの阿呆ォリズム

 危機的状況に追い詰められると笑いを取りたくなるのは悪い兆候だ。とくに笑顔が悲哀の表情との類縁性を知らぬ観衆を相手にする場合においては。仕手が上手であればあるほど当の本人と第三者にとっての悲惨の度合いは増す。




(ただしすべての悲劇はただ当事者本人のみにとってのものである。あらゆる「まともな」人間にとって、他人の悲劇ほど無関心のフォークと好奇心のナイフを構え「自分でない」という安心のスパイスでもっておいしく食せらるるものはないからだ。さらに食事後は甘美な思い出として消化され続けられるのはもちろん言うまでもない)






「俺が書くのはすべて処方箋」
「誰にとっての?」
「さあ? あんたじゃないのは確かだ」