ラングザマー

共和国 editorial republica|世界を書物でロマン化します。

ラングザマー: 世界文学でたどる旅 (境界の文学)

ラングザマー: 世界文学でたどる旅 (境界の文学)

 ひとり出版社「共和国」の下平尾直さんにいただきました。「境界の文学」シリーズの一冊で、ハンガリー人の母を持ち、スイスで育ち、フランス文学の翻訳をしつつ、ドイツ語で創作を行うイルマ・ラクーザさんによる読書論です。タイトルの「ラングザマー」は、ドイツ語の形容詞langsamの比較級です。収録されている多和田葉子さんのエッセによると、このタイトルの意図するのは、ただゆっくりすることではありません。過去に書かれた言葉をじっくり読むことを通して、別の時間の流れ方を知るということです。ゆっくりとした時間、ゆっくりしているけれども過去へ未来へと何千年も跳躍できる力強い「遅さ」を、文学を読む経験から教えてくれます。

 久しぶりに文学しました。下平尾さん、ありがとうございました。