臭うてたまらん

 横浜のメジャースポット(関内駅とか桜木町駅の間、要するに「みなとみらい」というあたり)の街にふらふらしに行ったらものすごい人で酔って通常時の1.5倍強くらい疲弊した。熱気と臭いも強かったけど何よりも激しかったのは欲望のオーラだった。一年中ずっと今日*1のレベルで放たれつづけていたらそのうち可視化するだろう。

 狼の眉毛*2をかざして眺めたら、獣の狂乱ぶりがウジャウジャ見えたに違いない。

 それにしても臭い。臭い臭い。人間臭い。鼻が曲がりそうだ。

*1:今日は何の日だ?浮かれ回る奴も苦々しく思う奴も結局は同じ穴の狢

*2:何をやってもうまく行かないダメおとこが山奥の獣に自らの身を与えようとするも「真人間は臭くて食えない」とつき返され町に戻り、土産に貰った眉毛を通して往来する人々を眺めると目に写るのは化け物ばかり、という物語は百物語などの怪異譚として散見するものである。 が、この人界と眉毛とを、妖かし(≒人間)を巡ってとどまることを知らない(むしろ、絶え間なく喚起されつづける)欲望とそれを産み出し維持するシステムを客観的に眺めるための場と小道具に意味付ける舞台装置のアレゴリーと見ることは決して不可能ではない。