掟は死の際にもう一度問うた。
「ストレートな悪意と捻じ曲がった善意。どちらが良いか」
分かりやすい見た目のわりに複雑な性格を有する「彼」は、「誰も俺のことを理解[わか]っちゃいない」と泣き叫ぶものの、掟の質問には答えられない。解は彼にはわかりきっているはずなのに応えられない。
ジレンマを一挙に解決するためのかなり賢く、もしかすると最も小ずるい手段は、より上位に立ちそこから問題を無化させてしまうことだが、そのような思考は切羽詰った「彼」には思いもよらない。
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実は上記の問題は、二者択一的な善悪の問題というよりも好悪の問題であるように思える。
つい言ってしまうなぁ、まったく。