大王の帰還

 今度の舞台はドイツだ。しのぶと師匠に代わりまして次なる主役はドイツ零年じゃなくてドイツ青年。つい最近祭りが終わったばかりだといっても、黒田マンガにはそんなことまったく関係なく時代は戦争前夜。(ワールドカップでないのはすでに描いていたからであろうね。大王さまともあろうものがわざとずらしたとかそんなつまらんことはしそうには思えない)




 物語はいつも夜の路地裏から始まる
 でもそこにあるのは残飯じゃなくて札束の入った鞄


 どうするかって? 拾うに決まってんじゃん
 金持ちマダムにたかるくらしかやることのない若造二人組ならなおさらだ
 拾うさもちろん


 「放っておいてもどっかの誰かが拾うさ
  なら俺たちでいいじゃん」


 そのとおり
 まさにそれこそ有為
 きっかけは突然落ちている
 冒険の始まりとはいつだってそういうもの
 

 でもお札もこんだけあると重いなぁ
 こんな早朝からパン屋が開いているぞ
 おおあの店の子はおさなじみのあの娘じゃないか
 惚れたよ俺は ようし君に預けちまえ


 あとから判明するには
 なんと鞄の中身はナチ幹部の機密費


 あらあやばいなあ
 見つかったら強制労働キャンプかしらん


 「往来に金が置いてある
  夜だ
  どう考えても置いたほうが悪いだろ」
 「じゃ(わたしの店に)置かないでもって帰って」


 んな漫才やってるあいだに
 戦争はじまっちゃたよ、おい


 ヒットラーは黙ってパチンコ
 しかも勝ちまくり
 スロット日独伊三国軍事同盟

 
 逃げるしかないな
 とりあえず金は店の裏に埋めて
 ほとぼりが冷めるまでは軍隊に志願だ
 そして二人は海へ


 戦争がどんなに悲惨でも
 若者がどんなに愚かでも
 朝はいつだってあたらしい




黒田硫黄の新連載『あたらしい朝』アフタヌーンより出航


 『ミシ』のラストを読み返して作品のイミが今ごろわかった。ああそういうことだったのね。当時よくわかってなかった自分に少し後悔。


大日本天狗党絵詞 1 (アフタヌーンKC)

大日本天狗党絵詞 1 (アフタヌーンKC)

大日本天狗党絵詞 2 (アフタヌーンKC)

大日本天狗党絵詞 2 (アフタヌーンKC)

大日本天狗党絵詞 3 (アフタヌーンKC)

大日本天狗党絵詞 3 (アフタヌーンKC)

大日本天狗党絵詞 4 (アフタヌーンKC)

大日本天狗党絵詞 4 (アフタヌーンKC)

黒船 (Cue comics)

黒船 (Cue comics)

大王 (Cue comics)

大王 (Cue comics)