映画感想メモ

 「太陽」 http://www.taiyo-movie.com/
 雰囲気映画。イッセー尾形は、我々がメディアという一枚の皮膜を通してから作り上げてきたであろう昭和天皇という一人の人のイメージ、すなわち「いかにもな感じ」を伝えるのがたいへんうまい。実証的か否かという問題は問うこと自体がナンセンス。だって今ごろ本人の感想メモが議論されるということは、それほどまでに本人の意思と「実像なるもの」が今まで知られてこなかった=考える対象となってこなかったということの裏返しでしかないのだから。


 「王と鳥」 http://www.ghibli.jp/outotori/
 昔のアニメだなぁという印象。
 メタフォリカルではあるけれど、風刺は普遍性を目指すと失敗すると思う。何にでも当てはめられるということは同じことが逆にも言えるということだ。時代に即した一人一人実際に存在する対象の名前をもたないと風刺する側/される側は簡単に入れ代わってリユーズされることになる。戦術レベルに於いてはあらゆる戦いは個別的な対応を求められる。
 あといろいろ伏線が不消化気味。