今さっき思いついただけの - Daisukeyの日記→に引き続き、今度は今週の教訓
・心身ともに弱っているときに『ソドムの百二十日』など読むべきではない
今週はただでさえ忙しいのに、サドのせいで精神までよけいに疲れた。
しかし俺、何で買ってしまったのだろう? 古本屋で千円だったからか? しかも澁澤龍彦の抄訳版ではなくて、完訳版の方↓
- 作者: マルキ・ドサド,佐藤晴夫
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 1990/06/01
- メディア: 単行本
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御存知サド侯爵の代表作。『新ジュスティーヌあるいは美徳の不幸』の方は「底抜けの善人が馬鹿をみるわい、ワッハッハッハ」という乾ききったユーモアらしきノリがあるようで愉快に読めたけど、こちらは全編嫌がらせかと思うほどの悪のdirectnessで満ち満ちている、というかそれしかない。こういうのを傑作というのでしょう、たぶん。こういう本たちは人の意識を圧倒するためにある。
澁澤訳と比べるのは酷というものだけど、完訳だけあってボリュームが違う。後半は構想ノートのみだけど。量も読書の大事な要素だ。その分ダメージも大きくなるが。
学生時代、本作をパゾリーニが映画化した『ソドムの市』を京都のイタリア会館(そういえばもうシネマはやってないんだよな、寮から徒歩二分で行ける映画館だったのに!)に観にいったことがあった。一部、二部はまあ面白かったが、三部でやばくなった。男色もスカトロもスクリーンの向こうから観ている分には大いにけっこうだが、拷問は駄目だ。痛いのは嫌だ。耐えられん。吐きそうになった。
のにまた本買ってる。我ながら懲りない奴じゃ。他日、同じもの観ていたT君はゲラゲラ笑いっぱなしだったとあとで言っていが、俺にはああいう強さはないなぁ。引きつった笑いしか出ないぞ。でもそんなT君もコミケの人ごみではすぐ気分が悪くなって早引けした。人の得手不得手はよくわからんな。