読んだ漫画

地獄―西岡兄妹自選作品集

　一人称で語られる悪夢のような静かな妄想のようなそうでないような不思議な漫画。
　ガロっぽい（と呼べそうな）白目のない目が怖い。

　ぼくは死ぬのをやめた
　なぜなら自分がすでに生きたものではないことに気づいたから

　といった感じのモノローグから始まってシュールな絶望が淡々と語られる短編集。万人にお勧めするというものでもないけど、エドワード・ゴーリー好きなら楽しめるかもしれない。

　しかし彼らの作品に出てくる男はどうして女を殴ってばかりいるのか。

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ムーたち(1) (モーニング KC)

　一部で大絶賛の嵐（といってもこの作品も作者もぼくの周りに知っている人はいなかったが）の榎本俊二の最新刊。最も漫画らしい漫画だと考えているのだが、果たしてそう思う人がどれだけいるのか。たとえていうなら、そのままでは絵にも映像にもなりそうもない形而上の世界を漫画にしたようなもの･･･。誰一人ついていけそうにない（ついて行けないのか行く気がないのか？）孤高のギャグの道を示しうる稀有な才能の凝縮。